 | ねえ天使ちゃん、私の赤ちゃんはなんで神様のこと知ってるの? |
 | この赤ちゃんね、まだ、前にいたところの記憶が残っているみたいよ。 |
 | ば~ぶ~! |
 | 前にいたところ?赤ちゃんて、うちの子じゃないときもあったの?! |
 | そうか、ママさんはこういう話は初めて聞くのよね。ひとつずつていねいに話すわね。 |
 | はい、よろしくお願いします! |
 | ばぶー! |
 | ママさん、人って死んだらどうなると思う? |
 | 死んだら?・・・私は天国に行くのかなって思ってた。 |
 | そうよ。それってどういうことかわかる?体はなくなるけど、心は生きてるの。正確に言うと、魂という存在が私たちのホントの姿なの。 |
 | ばぶー! |
 | さすが、赤ちゃんはその辺もちゃんと覚えてるのね。 |
 | ばぶ! |
| |
 | 魂かあ。聞いたことはあるけど・・・。じゃあ天使ちゃん、私たちの体の中には魂が入ってるの? |
 | そうよ。赤ちゃんだって、もともとは魂だけの存在で、この世に生まれるときに肉体の中に入ったのよ。 |
 | そうだったんだ~。じゃあ、赤ちゃんは天国からここに来たのね。 |
 | ばぶばぶー! |
 | そうよ。死んだ後の世界を「あの世」って呼んでるんだけど、「あの世」にある天国からみんなこの世に来てるの。あの世にはたくさんの魂が住んでるのよ。 |
 | へえ~。じゃあ、私のひいおじいちゃんやひいおばあちゃんも、みんなあの世にいるの? |
 | ばぶー! |
 | いるよ、だって。赤ちゃんもみんなに会ったみたいよ。 |
 | へ~、そうなの!元気だった? |
 | ばぶー! |
 | 私、ひいおじいちゃんに会えたら謝りたいの。 |
 | まあ、どうして? |
 | 小さいとき、ひいおじいちゃんの長いひげが気になって、ひっぱったら取れるんじゃないかと思って。会うたびに思いっきりひっぱってたらしいの。 |
 | ・・・子どもって時々コワイことするよね。 |
 | 赤ちゃん、ひいおじいちゃんは何か言ってた? |
 | ばぶー、ばぶばぶ。 |
 | 長いひげは生やすな、ってアドバイスをもらったらしいわよ。 |
 | ひげの生えた赤ちゃんなんて・・・想像したくない! |
 | ・・・まだ生えないから安心して。 |
 | ああそうだった。よかった~。それにしても、あの世には住むところがあるの? |
 | 魂のもともとの住まいはあの世なのよ。だから、向こうが実家で、この世は仮の住まいなの。時期が来たら、またあの世からこの世に生まれ変わってくるの。 |
 | え~、この世が仮の住まい?じゃあ、私たちあの世にいるほうが長いの? |
 | そうなの。あの世からこの世に旅に出ているようなものなのよ。 |
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 | でも、なんでわざわざこの世に生まれてくるの?私、悩んだことがあったわ。 |
 | そうね、誰でも一度は考えたことがあるかもしれないわね。 |
 | 生きる目的がわからないと不安な時期ってあるのよ。 |
 | ばぶ~。 |
 | わかる~、って、まだ生まれて1年たたないでしょ。早すぎない? |
 | 赤ちゃん、年ごまかしてる? |
 | ばぶー! |
 | この世に生まれてくる意味はちゃんとあるのよ。
みんな、それぞれ自分なりの課題を持って生まれてくるの。課題は人それぞれ違うけど、大きな意味でいうと、私たちは「愛を学ぶ」ということがテーマなの。 |
 | 愛を学ぶ?それってどういうことなの? |
 | そうねえ、学ぶって言うとお勉強っぽいけど、言い方を変えれば、愛とはなんなのかを知る、ということかしら。 |
 | それなら知ってるよ!愛とは、「すべてを生かし育むこと」。そして、「分かち合い、生かし合い、ゆるし合うこと」だったよね! |
 | ばぶー! |
 | すごいわね!ちゃんと覚えててくれたのね。。 |
 | えへへ。 |
 | 基本はそうなの。でも、言葉だけじゃ本当にわかったとは言えないわ。行動してみて、相手に感謝されたり、逆に傷つけたり、自分が傷ついたりして、初めて本当の愛がわかるの。だから、この世で自分たちの生活を通していろいろな愛を知るのよ。 |
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 | 愛っていろいろあるの? |
 | 愛の基本はさっきママさんが言ったとおりよ。ただ、パパさんを愛するのと、赤ちゃんを愛するのと少し違ってたりしない?男女の愛と、母の愛。 |
 | うん、そうだね。 |
 | あと、例えば赤ちゃんが悪いことをしたらママさんは本気で叱るでしょ。愛には厳しい面もあるわね。 |
 | そうだね。だって赤ちゃんが悪い子になってほしくないもの。 |
 | 赤ちゃんはその厳しさのなかに、自分を思ってくれている愛を感じるの。
そうやって、お互いに愛を学んでいけるのよ。 |
 | そうなんだ。赤ちゃん、将来悪い子になったらママは本気でいくわよ。 |
 | ばぶー! |
 | ・・・ママさん、本気出したら怖そうね・・・。 |
| |
 | ねえ天使ちゃん、生まれ変わったとき、前と同じ人になれるの? |
 | いいえ、別の肉体よ。生まれる国だって違うことが多いわよ。 |
 | そうなの?じゃあ、今の私という人生はこれっきりなのね。失敗したらやり直しはきかないわね。 |
 | 同じ人間には二度となれないわ。でもね、なぜ何度も生まれ変わってるのかって、前の人生でなにか失敗したと思っても、次の人生でやり直せるチャンスを与えてもらってるの。 |
 | そうなんだ!よかった~。 |
 | だからと言って、今の人生をおろそかにしちゃいけないの。同じ人生なんてひとつもないから、与えられたチャンスを大事にしたいわね。 |
 | ばぶー! |
 | 私の過去の人生っていろいろあったんだろうなあ。 |
 | みんなそうよ。赤ちゃんだって過去にいろいろあったからこそ、自分で決めてきた目標をがんばって乗り越えたり、また新たなチャレンジをする中で、愛を学ぼうと思って生まれてきてるの。 |
 | ばぶ~! |
 | あら赤ちゃん、やる気満々ね~。 |
| |
 | ねえ天使ちゃん、ちょっと気になったんだけど、魂って死なないの?魂に終わりはないの? |
 | いいところに気づいたわね。魂は死なないわ。永遠に生き続けるのよ。 |
 | え~っ? |
 | ばぶー! |
 | そうだよ、って。赤ちゃんはしっかり覚えてるわね。 |
 | ばぶ! |
 | 私は何にも覚えてないんだけど。やっぱりうちの子って天才かしら? |
 | ばぶ~。 |
 | 照れるな~、って・・・。そこは謙虚に否定するとこでしょ。 |
 | ばぶ。 |
 | 普通はね、この世に出てくるときにすべての記憶は消えてしまうのよ。だって何もかも覚えていたら、テストでカンニングしてるようなものでしょ。 |
 | どういうこと? |
 | 過去の人生でできなかった問題をちゃんとクリアできるかどうか、今回の人生でテストしてるのよ。 |
 | え~、そうなの!テストは苦手だよぉ。 |
 | 赤ちゃんだって人生のテストを受けに来てるはずよ。だから大きくになるにつれて、記憶はなくなってしまうと思うけどね。 |
 | そうなんだ・・・赤ちゃんも全部忘れちゃうのかな。 |
 | ばぶ~。 |
 | 忘れちゃったとしても、ママが今の話を覚えておいて、また赤ちゃんに聞かせるからね。 |
 | ばぶー! |
 | そうね、しっかり覚えておいて、他の子どもたちにも伝えてね。 |